外国人はタイで家を購入できる?合法的な方法を解説
「外国人でもタイの土地をそのまま買えますよ」と言う業者がいたら、その時点で話を打ち切るべきです。不動産の所有が不可能だからではありません。その一言は多くの場合、投じた資金をすべて失いかねないスキームの入り口だからです。ここでは、外国人がタイで家を購入する際に何が合法で何が違法か、そして安全に購入する方法を解説します。
違法なもの:名義貸し(ノミニー)
勧誘の言葉は巧みです。タイ法人を設立し、株主名簿には気心の知れたタイ人の名前を載せ、「みんなこうしていますから」と安心させる。しかし、外国人購入者のためにタイ人やタイ法人を名義上の所有者として土地を保有させることは、土地法および外国人事業法に違反する犯罪です。グレーゾーンではありません。
取り締まりは現実のものです。2026年5月、特別捜査局(DSI)と事業開発局は、サムイ島とパンガン島で名義貸しの疑いがある34社の捜査を開始し、プーケット、クラビ、パンガー、パタヤ、ホアヒンへの拡大も予定しています。土地の強制売却、名義人と外国人購入者双方への刑事訴追、ビザへの影響といった結果を招くおそれがあります。
さらに単純なリスクもあります。ある日、名義人が「この家は自分のものだ」と主張した場合、あなたには法的に争う立場がありません。法廷で説明しなければならない取り決めそのものが違法だからです。そもそも作ることが許されていなかった仕組みを、裁判で守ることはできません。
「30+30+30年」の落とし穴
一見正当に見えるため、慎重な購入者でも引っかかりやすいのがこのケースです。30年の登記済み賃借権に、さらに30年の更新を2回行うという契約上の約束を付けたもの。合計90年、実質的に永久だとして販売する売主もいます。
最高裁判所判決第4655/2566号では、1990年に締結されたプーケットの30年賃貸借契約(同条件での30年の自動更新2回付き、将来の賃料は前払い済み)が2020年に終了しました。裁判所は、更新条項は民商法典第540条の30年上限を回避しようとするものであり無効であると判断しました。賃貸借は30年で終了し、将来の期間分として前払いされた賃料も保護されませんでした。
実務上の教訓:あなたが持つ資産は、土地局が実際に登記した期間だけです。それ以降は、30年後の土地所有者が新たな契約に応じるかどうかにかかった約束にすぎません。物件の価格は登記期間で評価し、31年目から90年目までの対価を今支払わないでください。
合法的にできること:6つの方法
| 方法 | 得られる権利 | 期間 | 売却・相続は? |
|---|---|---|---|
| 所有権(フリーホールド)のコンドミニアム | 建物の外国人枠49%の範囲内で、住戸を完全に所有 | 永久 | 可能 |
| 登記済み賃借権 | 土地または家を使用する権利 | 最長30年 | 制限あり:譲渡には所有者の同意が必要 |
| 地上権 | 他人の土地に建てた家の所有権 | 最長30年または終身 | 登記内容による |
| 用益権 | 物件を使用し、そこから収益を得る権利 | 終身または最長30年 | 不可 |
| サップ・イン・シット | 物件に対する登記済みの物権 | 最長30年 | 可能:売却、相続、抵当権設定ができる |
| 土地法第96条の2 | 最大1ライの住宅用地 | 条件付きの所有権 | 制限あり |
1. コンドミニアムを購入する
最もシンプルな方法です。各コンドミニアムは総床面積の最大49%まで外国人に販売でき、あなた自身の名義で権利証書を受け取れます。購入資金は海外から外貨で送金し、土地局に提出するため銀行の入金証明(クレジットアドバイス)を保管してください。詳しくは外国人のコンドミニアム購入方法と購入の諸費用をご覧ください。
2. 土地または家を30年賃借する
一戸建てやヴィラで一般的な方法です。賃貸借は土地局で登記しなければなりません。署名した契約書だけでは不十分で、3年を超える賃貸借でも登記されていなければ、法的に主張できるのは3年分のみです。3年を超える賃貸借の登記をご覧ください。
3. 地上権で家を所有する
外国人は建物を所有できます。土地を賃借するだけでなく家そのものを所有する取引であれば、地上権を別途登記する必要があります。契約書に「買主がヴィラを所有する」と書かれているだけでは、同じ効力はありません。
4. 用益権
物件を使用し、その収益を得るための登記済みの権利で、終身とすることも可能です。ただし限界を理解しておきましょう。売却、譲渡、子どもへの相続はできず、あなたが亡くなると終了します。
5. サップ・イン・シット(賃借権資産権)
2019年に導入された比較的新しい制度です。上限は同じく30年ですが、通常の賃借権と異なり、売却、相続、抵当権設定、転貸ができます。採用しているプロジェクトはまだ少ないものの、確認する価値はあります。詳しくはサップ・イン・シットとはをご覧ください。
6. 土地法第96条の2
土地所有に至る唯一の方法です。国債やBOI奨励企業など認められた資産に4,000万バーツ以上を投資し、5年以上保有したうえで内務大臣の許可を得れば、バンコク、パタヤ、市(テーサバーン)区域または指定住宅地域で、居住用に最大1ライの土地を取得できます。条件に違反した場合、その土地は売却しなければなりません。実在する法律ですが、許可は極めてまれです。手軽な選択肢のように説明する人は、誇張していると考えてください。
タイ人と結婚している場合
タイ人配偶者の名義で土地を購入できます。外国人配偶者は土地局で、購入資金はタイ人配偶者のものであり、自分はその土地に対して権利を主張しない旨の宣誓書に署名します。法的には、その土地はタイ人配偶者の財産です。
外国人がタイで家を購入する手順
- まず権利の形を決める:賃借権+地上権、サップ・イン・シット、またはコンドミニアム。
- ご自身の弁護士を雇い、チャノート(土地権利証書)、所有者、抵当権、制限事項を確認し、登記されるタイ語の文面を読んでもらう。
- 約束された更新ではなく、登記期間に基づいて価格を交渉する。
- すべてを土地局で登記する:賃借権、地上権またはサップ・イン・シット、そして抵当権。
- 海外から支払い、銀行の記録を保管する。
- 期間終了時と相続について、書面で計画しておく。
コンドミニアムの外国人枠を75%に引き上げ、99年の賃借権を認める改正案は2024年から議論されてきましたが、2026年時点では成立していません。49%の外国人枠と30年の賃借期間上限は現在も適用されます。
タイで住まいの購入をお考えですか?
ご希望をお聞かせください。その物件で取り得る法的な選択肢をご説明し、資金を投じる前に独立した弁護士をご紹介します。
よくある質問
外国人はタイで家を購入できますか?
外国人はタイで土地を所有できますか?
30+30+30年の賃貸借は合法ですか?
タイ法人を使って土地を購入できますか?
外国人がタイで不動産を購入する最も安全な方法は?
冷静な目と、正しい書類で購入を。
私たちはバンコクを拠点に、BTSスクンビット沿線の高級住宅を専門とするチームです。初回のご相談は無料です。
本記事は2026年10月に確認した一般的な情報であり、法的助言ではありません。取引はそれぞれ異なります。資金を投じる前に、タイの資格を持つ弁護士にご相談ください。