賃貸 & 借地権(リースホールド)
3年を超える賃貸借契約は土地局で登記を
タイの法律では、3年を超える賃貸借契約は、土地局で登記して初めて全期間にわたって保護されます。10年契約を当事者間だけで結んだ場合、法律上は3年契約として扱われます。その意味と、正しい手続き方法をご説明します。
ルール
民商法典第538条は、不動産の賃貸借で期間が3年を超えるもの、または貸主もしくは借主の生涯にわたるものは、書面で作成し、所轄官庁に登記しなければならないと定めています。登記しない場合、効力が認められるのは3年間のみです。
登記しないと起こりうること
- 10年契約を結び、数年分の家賃を前払いしたとします。4年目に所有者が売却すると、新しい所有者が拘束されるのは最初の3年間のみで、退去を求められる可能性があります。
- 所有者が亡くなったり、物件が差し押さえられたりした場合、相続人や債権者は3年を超えて拘束されません。
- 投資目的や不動産ビザのために購入した借地権(リースホールド)を、長期の権利として証明できません。
登記で得られるもの
- 物件が売却された場合の保護。賃貸借は所有権の移転によって終了せず(第569条)、買主が貸主の地位を引き継ぎます。
- 公的な記録。賃貸借が権利証に記載されるため、物件を購入する人や担保に融資する人もそれを確認できます。
- 登記済みの賃貸借を要件とするビザについて、入国管理局への証明になります。
知っておきたい制限
- 1回の登記期間は最長30年です(第540条)。
- 更新は約束にすぎません。「30+30年」のプランは、貸主が後日新たな賃貸借の登記に応じることが前提です。2023年に報じられた最高裁判所の判決では、30年を超える自動更新は執行できないとされました。借地権と所有権の比較はこちら。
- 賃借権は一身専属です。契約に別段の定めがない限り、借主の死亡によって終了する場合があるため、相続人に承継できる条項を入れてもらいましょう。
- 登記を避けるために3年契約を連続して結ぶと、物件の所有者が変わった場合、最初の契約以降はすべて保護されません。
費用と負担者
土地局では登記手数料1%と印紙税0.1%がかかり、いずれも全期間の賃料総額をもとに計算されます。月額100,000バーツで5年契約(総額6,000,000バーツ)の場合、約66,000バーツです。負担者は契約で取り決め、折半することも多くあります。
登記の手順
- 賃貸借契約を書面で合意します。できれば弁護士の確認を受け、タイ語または2か国語で作成します。
- 物件所在地を管轄する土地局に予約します。
- 双方が出席するか、委任状を持つ代理人を立てます。貸主は権利証、身分証明書、住居登録証を持参し、既婚の場合は配偶者の同意書も必要です。借主はパスポートを持参します。
- 手数料を支払うと、担当官が権利証に賃貸借を記載し、登記済みの写しを返却します。
通常の1年契約の賃貸にも関係しますか?
いいえ。一般的な1〜2年の住宅賃貸借契約は登記の必要はありません。関係するのは、3年を超える契約を結ぶ場合、長期分を前払いする場合、または借地権(リースホールド)を購入する場合です。
本記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。長期の賃貸借契約は、署名や前払いの前にタイの弁護士に確認してもらってください。